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洋々LABO > インタビュー > コラム > ホリエッティの「三大陸周遊記」

これまでいろいろな折にさまざまな場所で教えてきた。
3大陸というのは、1)中学・高校・浪人、2)大学・大学院修士・博士課程、3)一般市民の三群の人々の比喩である。

1) 中学高校は、女子校2箇所、共学校2箇所、男子校1箇所経験し、日本の若人教育の一通りの有り様は把握できたといってよいかもしれない。科目は英語である。コミュニュケーション英語、英語表現、英文読解、英文法なんでもござれだ。

中1にアルファベットからも教えてもいた。ただし、アルファベットの起源から、文字の由来まで言及してしまう。社会の教員免許も持っているが黙っている。全社会科の分野など教えられないということもある。本来、小論文は国語の先生の管轄なので、下手に教えて領域侵犯はご法度である。それでも、どこからか噂を聞きつけて、小論文添削依頼を講師室に持って来る生徒が毎年いるのには苦笑させられた。「結構、お前ら嗅覚鋭いな!」。

今なら、小論文なら「洋々」にいらしてください、というところである。集団指導の塾は中学生相手だったが、私語がまったくないところが、男子校と比べて楽園に映った。前者の方が本来なのだけれどなあ。

医学部予備校は、目標がはっきりしていてやりやすい。ここも、もちろん私語などない。医者の子弟が大半を占める。経営者は東大文学部出身で大変な教養があり、「英語を教えていて、ラテン語、フランス語など他言語のことを話すと、苦情を言う生徒がいる」と或るときこぼすと、「そんな学生は碌でもない奴だから、相手にしなくてよろしい」と言ってくれた。高校生以上対象のこの塾で、最近担当しはじめた東大に数十人単位で合格者を出す進学校の中三!はさすがである。どんなことにも興味を持つ。こうでなくっちゃ!

2)大学は早稲田なら、昔の第一文学部、第二文学部、全学部横断の地中海カレッジ、いまの文学部、文化構想学部、文学研究科とずいぶんお世話になった。慶應も学部一年から博士課程、通信教育まであまねく教えた。

上智が学部・大学院共通授業で専門の哲学を2年間担当し、ICU(国際基督教大学)ではギリシア語、京都大学は一週間の集中講義を2年度というか2回、西洋古代哲学専攻の学生・院生を専門の新プラトン主義に関して鍛えた。京都という地は食の豊饒、寺社の散歩の愉しみをべつにしても、学問に集中できるところだと実感できた。京大の哲学科には徹底的に呑んで語るという麗しき伝統があり、明け方5時の4次会まで教授初め、学生・院生みなよく付き合ってくれた。

女性総長で人気急上昇中の法政大学の専門講義に今年度は初登壇した。ちょっと男子学生の私語が多いな。女子学生の方が熱心で、最後まで質問で喰らいついて来てくれた。東京女子大学では2年間、イスラーム概説の講義。昔から相性がよかった?が、元気で個性的な学生が多く、いまでも交友が続いているケースもある。

東大@本郷は昔一回、ホリエモンが中退した「宗教学科」の専門講義のほか、目下4年間、文学部「美学藝術学科」の学部・大学院共通演習で、神秘哲学における超越美をめぐるギリシア語文献を精読している。まだ世界の誰もが近づけなかった原文理解に達したという歓びに昨日は包まれた。プロティノスの専門家がなかなか他にいないので、慶應、上智、学習院などからも、聴講生がやって来るのは、昔ながらのよき風習だと思う。大学院というのは、そういうところで、その道の最高の教授および同好の士を求めて私自身、東大、都立大の演習にはよく「もぐった」ものだった。

3)一般市民相手は朝日カルチャーセンター、いま現在は早稲田大学エクステンション・センターと放送大学で講義している。下は18歳から上は90歳まで年齢の幅は広いが、定年後に通われる方が多く、「生徒」と言っても大多数、私より年長者である。校長先生だった人、弁護士、大企業の第一線だった人、画家、占い師、ヨーガの先生、小料理屋店主もいる。

聴講に熱心で、授業に求めるところが多い。開始時間・終了時間厳守、優しくゆっくり話し、ユーモアを交え、笑いにときどき包まれながら講義する必要がある。したがって、博士課程を終えてすぐ講義デビューする場所ではない。話術、スピーチ・テクニックを要し、難しいということである。私の講義がきっかけで、フランス語の専門書を一冊訳してしまった翻訳家も出て来た。

この冬、共に訳文の校正を詰める歓びに浸っている。東大からシカゴ大の修士も出られたとある予備校の校長先生に月3回、プロクロス『アルキビアデス註解』のギリシア語講読に呼んでいただいている。他の医学部予備校英語科のエース講師、東大オーバードクター2人、IT企業の社長さん、画家の方が参加してくださり、これもまた私の生き甲斐となっている。

こんな「三大陸生活」を営んでいる私が、日々想うことなど、これから折に触れ、お話しする予定でおります。どうか、よろしくお願いいたします。

洋々講師。元慶應大学教授。ピサ大学客員教授、京大、ICU、上智、東京女子大の講師も歴任。現在は、東大、早稲田、放送大学で講師を務める。慶應文学部の一般入試・自主応募入試の出題・採点に長年携わった経験を活かし、洋々参画後は小論文・英語・志望理由書の指導を手掛け、慶應文学部を始めとした上位大学の文系学部に圧倒的な合格実績を残す。諸国を旅し20ヶ国語に通じる。無尽蔵の学識に裏打ちされたユーモア溢れる語り口に、受講生からの人気も高い。
慶應義塾大学文学部哲学専攻卒
慶應義塾大学大学院文学研究科哲学専攻博士課程単位取得退学

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