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洋々LABO > 書類・試験対策 > 出願書類 > 【慶應法FIT入試】志願者調書の書き方のポイント

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本記事では、慶應義塾大学法学部のFIT入試で求められる志願者調書の書き方を紹介します。

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志願者調書とは?

慶應法学部のFIT入試は、書類による一次選考と、総合考査・面接による二次選考で構成されています。志願者調書は一次選考の書類審査に提出し、二次選考の面接の際の判断材料として使われるものです。

面接は個人面接。面接官は、試験会場で志願者調書を読みながら受験生に質問をします。本記事では、志願者調書で問われる4つの設問について、それぞれの回答の際のヒントとなる観点を紹介します。

慶應法FIT入試志願者調書

1. 中学校卒業時と今の自分を比較した際の「人間的成長」はどのようなものか?

この設問におけるポイントは、自分自身の気づきをいかに読み手に伝えられるかという点です。

たとえばよくあるのは、「XX部の部長を経験したことで、他人の立場に立って考えられるようになり、リーダーシップをとれるようになった」という例。これだけでは、あなた自身がどのような気づきを得られたのかが不明瞭であり、言い換えれば「誰でも書ける文章」になってしまっています。

部長を経験したことで、どのようなことを体験し、どのようなことを感じて、何を実践し、その結果自分はどう成長したのか。それを自分視点からの気付きとして書くことで、読み手に自分自身を伝えましょう。優等生的な模範解答を書くよりも、自分自身の経験と学びを第一に重視してください。

また、この設問で注意すべきは「人間的成長」を問われているということ。単に経験を語るのではなく、「具体的にどのような変化が起こったのか」「何ができるようになったのか」を伝えることが重要です。

2. ものの見方や考え方に大きな影響を及ぼした事柄(書物を含む)は何か?

この設問では、志望理由書を通して表現できなかった自分の世界観や考え方を表現することを目指しましょう。志望理由書に書いたテーマと全く関係のないことや、何のつながりもないを事柄を書いても大丈夫。多面的に自分を表現することで、バランスの良さを伝えることができます。

この設問のポイントは、自分の多様な面を試験官に知ってもらうこと。FIT入試は「一般入試で取りこぼしてしまう尖った学生の確保」を目的にしています。志望理由書では、大学での学びや目標と紐づく形で自分を見せる一方で、この設問では、学問と紐付かない自身の世界観や考え方を知ってもらうために、どのような書き方をしたら良いかということを意識してみましょう。

回答するときは、「何に」「どのように」影響を受け、その事柄が今の自分の何を形作っているのかを具体的に説明するのがポイント。その事柄を経験したことで、今の自分は何が変わったのか。その変化を客観的に見て分かる形になるよう心がけましょう。

設問1と設問2の出題意図は、受験生の様々な側面を知ることにあります。志望理由のテーマに縛られすぎず、自分自身の人物像を伝えられるかが鍵です。

3. 今、最も関心をいだいている事柄は何か? その事柄にこれまでどう取り組んできて、今後はどう取り組みたいのか。

この設問は志望理由書のテーマと重なることが多いため、同じテーマで書くのが最も書きやすいはずです。ただ、志望理由書と全く同じことを書くのではなく、一見重ならなさそうでありながら、掘り下げていくと志望理由と重なることを書くと、より「多面性」を強調することができます。

たとえば、あなたが国の安全保障に興味を持っていて、将来は外交官を志しているとしましょう。志望理由では「中学時代におこなった調べ学習から、日本と世界の国際関係に興味を持った」「将来は国際法に強い弁護士となり、日本の国力向上に貢献したい」という内容を書いたとします。この2つの理由以外にも志望理由として挙げられるけれど書ききれなかったものがあれば、それをこの設問3に書いてみると良いかもしれません。

たとえば、「親戚が務めている国際系のNGOの活動に興味があった」や「インターナショナルな交流会に参加し続けている」といった私的なもので構いません。関心をいだいて行動を起こしてきた事柄が最終的に志望理由に重なるよう、書き方を工夫してみましょう。

4. 慶應義塾大学法学部の法律学科もしくは政治学科という場に期待していることは何か?

この設問も、設問3と同様に志望理由とそのまま重なることが多いはずです。しかし、この設問では「慶應義塾の法学部において」というより具体的な指示があるため、現実と離れすぎない形で書く必要があります。

志望理由に書く内容は「将来的に必ずしも実現するかはわからないこと(≒途中で目標や学びたいことが変わるかもしれない)」でも問題ありませんが、「なぜ、大学時代の4年間を慶應の法学部で過ごしたいと考えるか」という問いに対して「どこの大学に行っても実現できてしまいそうなこと」を書くのは悪手です。「慶應の法学部だからこそ期待できること」を念頭に置くよう意識しましょう。

そのようなオリジナリティを表すには、まずは可能な限りその大学のことを知ることから。インターネットで情報を調べるだけでなく、オープンキャンパスに足を運んで、学内の雰囲気を掴んでおきましょう。また、オープンキャンパスは在校生や教授に直接話を聞きに行けるチャンス。質問コーナーにもぜひ訪ねてみましょう。ネットで調べてわからなかったところや、学部学科について気になることなどをあらかじめ質問にまとめておくと、より効率的に情報収集ができます。

また、ネットで調べる際も、入試や学部のページだけでなく、シラバスや気になる教授のゼミや個人のページなど、調べられる限りの情報を集めるのがポイント。カリキュラムの構成や講義の作り方、少人数授業の充実度合いなども調べると、新たな情報が見つかるかもしれません。

自分の本当に学びたいこと、したいことが慶應の法学部にあることを示すために、法律学科と政治学科を分けて設置している意図を考えた上で志望理由を書くのもひとつの手です。

設問3と設問4をどのように書き分ければよいか

先述したとおり、設問3と設問4は志望理由と重なる部分が多く、どのようにそれぞれを書き分ければよいか悩む方もいるのではないでしょうか。内容自体が重なるのは問題ありませんが、それぞれの設問において「異なる視点から志望理由を捉えて書く」ことが重要です。

そのために、まずは書き始める前に自分のストーリーを考えてみましょう。過去・現在・未来を辿り、なぜ慶應の法学部を志望するようになったのかを書き出してみると、いくつかのターニングポイントや、鍵となる出来事、経験、考えが出てくるはずです。出てきたそれぞれの事柄を志望理由、設問3、設問4のどこに書くのかは後ほど検討するとして、まずはその一連の時間の流れ=ストーリーをしっかり組み立ててください。そして、学問と最も結びつきが強いものを志望理由に、志望理由に入り切らなかった事柄を設問3と設問4に充てると、あなたの多面性をより伝えられる書類が完成します。

一次の書類審査は、顔の見えない面接試験と言っても差し支えありません。試験官にあなた自身の様々な像を伝えられる工夫が大切です。

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