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洋々LABO > 特集 > 【大学インタビュー】横浜市立大学のAO入試とデータサイエンス学部について

横浜市立大学
大学インタビューシリーズは、AO入試や推薦入試を実施する大学の入試課にインタビューを行い、入試や大学に関する「ホントのところ」をお伝えする連載です。

今回は横浜市立大学、アドミッションズセンター長の吉本和生様と、アドミッションズセンター課長の照井和尋様に、同学で実施されているAO入試および2018年度より新設されたデータサイエンス学部について話を伺いました。

――近年、AO入試を実施する大学が急増する中、横浜市立大学は10年以上前からAO入試を実施しています。どのような経緯でAO入試を始められたのでしょうか?

AO入試は「多様な学生を確保したい」という狙いで導入しました。これまで、横浜市立大学では時代に合わせて求める人材像を柔軟に変化させています。

本学のAO入試は、受験生自身のバックボーンを問いません。自分自身が何にどのように取り組んできたかについてプレゼンテーションしてもらいます。自らプレゼンしてもらうことで、その経験を通して何を得たのか、どれだけ成長したのかを見たいからです。プレゼンテーションの評価の基準は多面的であり、受験生の個性を尊重しています。

――AO入試ではどのような試験を実施していますか?

2019年度は、国際教養学部、国際商学部、理学部では一次選考で書類選考を行い、二次選考においてプレゼンテーションと個人面接を実施。二次選考の時間は30分。最初にプレゼンをしてもらい、そのあとに質疑応答。志望動機などの簡単な質問も含まれます。

データサイエンス学部では、同様の一次、二次選考に加え、三次選考としてセンター試験の受験も課しています。

――貴学のAO入試では、なぜプレゼンテーションを採用しているのでしょうか?

志望動機や学びへの意欲、表現力や思考力などの基礎的な力を測ることに加え、その学生の求める学びを本学が提供できるかどうかを見極めるためです。

先ほどお話した通り、プレゼンでは一人ひとりの受験生に、これまでの取り組みについて話してもらいます。それは、受験生が横浜市立大学でどのようなことを学びたいと考えているのかを確かめると同時に、その願いを私たちが叶えられるかどうかを確認するためでもあります。そのマッチングが成立するかどうかという観点からも評価をしていますので、当然「しっかりと意思疎通ができる」という意味での表現力やコミュニケーション能力も重視します。

――表現力の重視について、もう少し詳しく伺えますか?

一次選考の書類審査にもプレゼンの概要を提出してもらいますが、二次でその提出した内容を丸暗記して発表するようなことはNGですね。毎年、二次選考では、壁新聞のようなものを作って持ってくる人、紙芝居のようにストーリーを進めていく人など、実に個性豊かな発表が行われます。

――AO入試で入学した学生に特徴などはありますか?

やはりAO入試を受験する学生は主体性のある人が多く、入学後に学内で中心的な存在となって活躍している学生がたくさんいます。たとえば、オープンキャンパスの学生スタッフを募集すると、AO入試で入学した学生が積極的に手を挙げてくれる。もちろん大学側から強制はまったくしていないのですが、結果的に中心となって活躍してくれているのはなぜかAO入試で入学した学生が多いのです。

あとは、高大接続を意識する高校が増えたことで、全体的に雰囲気が変わりましたね。地方出張の際に地元の高校に出向くと、高校生のうちから「大学に入ったらこんなことをしたい」という具体的なビジョンを持っている子が一昔前と比べると圧倒的に増えたと感じます。

――2018年4月より新設されたデータサイエンス学部について伺います。データサイエンスを学部として切り出したことには、どのような意図があるのでしょうか?

データを専門に扱う人材育成はこれから間違いなく需要が高まります。国を挙げてデータサイエンティストの育成に取り組むということが聞こえ始めた頃から、本学ではこの学部の設置の検討に入りました。

はじめは、「データサイエンスはどちらかというと理系寄りの分野だから、理学部のなかに学科やコースを作る形でも良いのではないか?」という意見もありましたが、データサイエンスは文理融合型の学問です。検討を重ね、新たな学部として作るのが最も適切なのではないかという結論に達し、新設に踏み切りました。

――昨年度はどの程度の志願者が集まりましたか?

データサイエンスという分野自体、高校生にはまだまだ認知されていないため、実は入試の実施前は、それほど倍率は高くならないのではないかと思っていました。倍率5倍が目標でしたが、果たして本当に達成できるのかという不安はありました。

しかし蓋を開けてみたら、AO入試と一般入試合わせて倍率は7.8倍となり、これには正直驚きました。

――データサイエンス学部では、一年生の時点からデータサイエンスに関する専門的な素養を身につけられるカリキュラムが組まれているのでしょうか?

はい。データをどのように読み解き、どうやって価値を見出していくかを学ぶには、当然のことながら統計学を始めとした基礎的なスキルが必須となります。この学部は学部生が60名という小規模なので、その分教員やスタッフと学生の距離が非常に近く、密な指導が可能であるという点が特徴です。

もちろん、データサイエンス学部でもAO入試を実施しています。2018年度にAOで入学した4名は、やはり学部内でリーダーシップを執っているのが印象的ですね。

――データサイエンス学部には、どのような学生が向いていると考えていますか?

意外に思われるかもしれませんが、さまざまなものに興味を持てる人が望ましい、と考えています。

というのも、偏った見方で固定観念を持っている人だと、あるデータを見ても「これはきっとこうだろう」と無意識のうちに都合のいいように解釈をしてしまいがちになるからです。データサイエンスにおいて必要になるのは、データを読み解くセンス。センスを磨くには、たとえばある企業のある時期のデータを前にしたとき、どのような事業をしている会社の、どういう時期に生まれたデータであるかというような、データの背景にまで関心を寄せる必要があります。そうやって興味を持てると、データに対して疑問を持てるようになり、そこから新しい価値を見出すことができるのです。

――データサイエンス学部では、三次選考としてセンター試験である一定水準の得点をクリアするよう課されています。中でも、英語が倍に換算されて加点される仕組みになっているのには、何か理由があるのでしょうか?

データサイエンス学部に限りませんが、本学ではとにかく英語を重視します。入学後も特定の英語外部試験で合格点を獲得できないと進級や卒業ができないという仕組みや、4技能を伸ばすためのカリキュラムなどを導入し、全学的に英語力の向上を図っています。グローバル人材が求められている今、英語はできて当たり前と考えています。

――最後に、横浜市立大学の受験を考えている高校生にメッセージをお願いいたします。

AO入試にあたっては、まず、これまで何に取り組んできたのか振り返り、その経験を通してどのような成長が得られたのか考えてみてください。それをもとに、プレゼンテーションでは、自分のキャリアパスのなかで「大学で何をしたいのか」について発表していただければ良いと思います。

自分の目標に対して横浜市立大学で何を学び、どのような将来を実現したいのか―主体的に取り組む姿勢を持った受験生を、私たちは歓迎します。

洋々の小論文トレーナー&メンター。批評からシャンプーの裏側まで、文字の書いてあるものは何でも好きです。

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