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洋々LABO > 大学・学部別 > 慶應SFC > SFC授業紹介:「パーソナル・プレイス・デザイン」

はじめに

 今回は、SFCの石川初教授が教鞭をとる「パーソナル・プレイス・デザイン」という授業をご紹介します。

 “デザイン”と聞くと、自分には縁遠い世界だとか、アートを勉強している人にしか関係ないと思う方が多いかもしれません。しかし、この授業は必ずしもデザインを勉強したい人だけに向けられているものではありません!授業の履修に当たって、特別なスキルや能力は必要ないですし、授業の中ではマグカップSFCのキャンパスにあるものなど、学生にとって身近な事例が用いられます。

 また、授業内では様々な物体をよく観察したり、写真を見てそれが何なのか思考したりする時間が多く、観察力柔軟な思考力といった、芸術分野に限らず社会の中で必要とされる能力が身に付きます。

授業概要

 この授業は、SFC内でデザインの基礎を勉強できる授業の1つです。空間・環境をデザインするために必要な思考言語を、主に身体や日常環境のスケールの事例を参考にしながら獲得することを目的としています。

授業の進め方

 毎回授業の前に宿題(デッサンの課題)を提出します。その提出された課題の講評から授業は始まります。よく仕上がっている課題を教授がピックアップし、どういう意図で描いたのか・その絵が何を意味しているのかなどを描いた学生に質問します。

 その課題に関する質疑応答の後、授業が始まります。授業も講義形式ではなく、マイクを回しながら授業の随所で学生に質問が振られ、教授と対話する形式が取られています。回によっては授業内で即日課題が課される時もあります。

 授業の最後で、その日の授業内容を踏まえた次週までの課題が発表されます。その課題を次週までに仕上げ、それを教授が講評するという流れで進められます。

この授業で何が得られるのか?

 とにかく毎週の課題や授業内の課題でデッサンすることが求められるため、あるものをよく観察する力、および観察したものをデッサンする力が身につきます。

 また、教授から「なぜこれはこうなっているのか?」と言った私たちの日常生活では考えないような根本的な質問が投げられます。そのため、物事の根本的な理由を思考する力や、それを言葉にして説明する力が身につきます。

どのような人に向いているのか?

 冒頭でも述べたように、この授業は本格的にデザインを学びたい学生のためだけの授業ではありません。

 ・デザインの基礎を学んでみたい人
 ・デッサンが上手くなりたい人
 ・自分の見える世界を広げたい人
 ・観察力を付けたい人
 ・物事をことばにする力を身に付けたい人

 など、学問の分野を横断して必要とされる視点やスキルを得ることができます。

石川初教授ってどんな人?

それでは、この授業で教えられている石川初教授とはどのような方なのでしょうか?

略歴

1964年京都府宇治市生まれ。基督教独立学園高校卒業後、東京農業大学農学部造園学科卒業

鹿島建設株式会社建築設計本部、Hellmuth Obata and Kassabaum Saint Louis Planning Group、Kajima Designランドスケープデザイン部、株式会社ランドスケープデザイン設計部を経て、
2015年4月より慶應義塾大学環境情報学部教授

専門分野

 ランドスケープアーキテクチュア(景観・緑地・造園の計画・設計)
 地理
 地理教育(地形・地図などの研究と表現)

主な著書

 『ランドスケール・ブック』(2012)
 『思考としてのランドスケープ 地上学への誘い』(2018)

SFCで担当している授業

 ※変更になっている場合があります

 ・デザイン言語総合講座
 ・パーソナル・プレイス・デザイン
 ・マッピングイメージデザイン
 ・スチューデント・ビルド・キャンパス(SBC)入門
 ・デザインスタジオ(自然と建築)

 など

 参照
・教員紹介ページ
https://vu.sfc.keio.ac.jp/faculty_profile/cgi/f_profile.cgi?id=0d25ecec26e88424
・石川研究会公式ホームページ
http://hajimelab.net/wp/

実際に授業を受けてみて

 ここでは、実際にこの授業を受けた筆者が自身の体験に基づいてこの授業について語ってみたいと思います!

授業を受ける前

 筆者はデザインが専門ではないですが、せっかくSFCで勉強しているのだから色々な分野に触れてみたいと思い、デザインの基礎的な授業であるパーソナル・プレイス・デザインを履修しました。

 しかし、筆者はお世辞にも絵が上手いと言える分際ではありません。人が座っている絵を描くと、体のバランスがおかしくなってしまったり、クマとネコとイヌの絵を描くと全て同じイラストになってしまったりするほどの画力でした、、、。ですので、デザインを学びたい気持ちはあったものの、授業が始まるまでは他の学生についていけるかとても不安でした。

授業を受ける中で

 初回の授業で教授が「この中で自分は絵が下手だと思う人はいますか?」と学生に聞きました。私を含め2、3人くらいが手を挙げると、「なるほど」と教授は言い、物をデッサンする際のコツを語り出しました。特に物を立体的に描く際に気をつけることや描く手順を丁寧に説明してくれました。その甲斐もあってか、私のデッサンも少しずつ上達していき、現在では“イスに座る人”をある程度正しい縮尺で描くことができるようになりました。

 授業の進行の仕方も刺激的でした。ただ教授が一方的に喋るのではなく、授業中に何度も学生に質問したり、教室を飛び出してミニ・フィールドワークに行ったりしました。

 そのような授業を受けていく中で、教授は学生に自分の頭で考えさせることをとても大切にしているように感じるようになりました。授業の雰囲気も良く、学生の様々な回答に対して、教授は大きくリアクションしてくれ、自由に発言することができる空気感が漂っていました。ですので、教授の質問に対する学生の回答は常にユニークで、己の自由な発想に基づいていると感じられるものでした。

授業を終えて

 SFCで色々な分野を学んでみたいという理由で、この授業を履修した筆者でしたが、実際に得られたものは期待以上のものでした。

 私が特に自分の変化として感じたことは、身の回りの“小さい物事に気づくようになった”ということです。例えば、掃除機をかけている時にこれまでなら見過ごしてしまっていたであろう床についたコーヒーのシミ。一手間かけて雑巾で拭うだけでより部屋が美しくなった気がして、心も軽くなります。

 筆者はこのパーソナル・プレイス・デザインという授業を履修し、“デザインを学ぶ”ということは、絵画技法を学んだりデザインセンスを磨いたりすることだけではなく、私たちの日常に気を配る能力を鍛えることだと思いました。それは、ビジネスの世界でも、学問の世界でも、どんな分野で活躍する際にも必要な能力だと思います。

まとめ

 この授業で得られることは、デザインの技術だけではありません。私たちの身の回りにあるものに改めて照準を当て、「なぜそれがそうなっているのか?」「それは何のためにあるのか」といった根本的な問いに向き合い、その答えを自分の頭で考え、それを発信する力が身につきます。その過程で“小さなことに気づく力”もついてきます。

 SFCでデザインを学びたい人もそうでない人も楽しめる、かつ学ぶものが多い授業であると思います。SFCで勉強することになった際には、ぜひ受講してみてください!

慶應義塾大学環境情報学部3年の光延いのりです。

高校時代に1年間フィンランドに留学していた経験を生かし、SFCにAO入試で入学しました。洋々でメンターをやりながら、SFCの魅力を伝える記事も執筆しています。

SFCでは、ドイツ語を学びながら日本史・日本政治のゼミで勉強しています。

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