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洋々LABO > インタビュー > インタビュー > 「連敗記録」も、AOでは武器になる―お笑い芸人たかまつななさんのAO受験体験記

多くの高校生にとって、実態のつかみづらいAO入試。洋々では、AO入試に関するリアルな情報を発信すべく、AOで大学に合格した先輩を取材しました!

今回取材を受けてくださったのは、慶應義塾大学総合政策学部卒のたかまつななさん。現在はテレビ局に勤務する傍ら、社会問題を発信するお笑い芸人として舞台に立ち、さらに会社経営もこなすパワフルウーマン。高校生の頃から芸人活動を始め、SFCのAO入試でも「お笑い」をテーマにした志望理由で見事合格を勝ちとりました。

「お笑いの大会は予選で17連敗。大学の志望理由書は100回近く書き直し」

―そんな正面からの体当たりを繰り返したたかまつさんに、AO入試への向き合い方を伺いました。

目指すは「お笑い界の池上彰」。「お嬢様芸人」の素顔とは?

――「お笑い×社会問題」を個人の芸風として全面的に押し出している芸人さんって、珍しいんじゃないでしょうか?

そうですね、あまりいないと思います。「お笑いで社会問題を解決したい」という思いで、中学3年生の頃から、アマチュアですが、芸人としての活動を始めました。

――現在、たかまつさんはいくつかのお仕事をかけもちしていらっしゃいますよね。具体的に、どのようなお仕事をしているのでしょうか?

大きく分けて3つですね。まずはお笑い芸人たかまつななとしての仕事。そして、3年前の18歳選挙権導入のタイミングで立ち上げた株式会社笑下村塾の取締役。それから、テレビ局の正社員です。

笑下村塾は「政治や社会問題と人々の距離を”お笑い”で縮めたい」という思いから始めた会社で、社会問題に関する教材を作ったり、全国の学校や企業に出張講演を行ったりしています。今は特に、主権者教育やSDGsに関する講演のご依頼が多いですね。

――たかまつさんはテレビで「お嬢様芸人」というキャラクターのイメージが強かったので、社会問題の解決に関心の軸があるのは正直意外に感じました。

芸人として売れたら好きなことができるかなと思って、テレビでは分かりやすく「お嬢様芸人」というキャラで出させてもらっていました。けれど本当は、自分が売れることで「お笑いによる社会問題の解決」をもっと身近にしたくて。目指すは、お笑い界の池上彰さんのような存在になることです。

大会予選は17連敗。それだけ本気だったから、AOを選んだ。

――そもそも、たかまつさんがお笑いに興味を持ち、芸人の道を歩まれたのはどのような経緯があったんですか?

中学2年生の頃、爆笑問題の太田さんが書いた「憲法9条を世界遺産に」という本を読んで、その面白さに衝撃を受けました。「お笑い芸人だからこんなに面白い発想ができるのか!」と思い、そこからお笑い芸人を目指すように。もともと社会問題に対する関心は持っていたので、お笑いという表現方法であれば、もっと多くの人に社会問題を身近に感じてもらえるかな、と。

正直、芸人になるまでの道のりはかなり険しかったです。高校生の頃、ハイスクールマンザイというお笑いの大会にどうしても出たくて何度もチャレンジしたのですが、予選で17連敗。家族にもお笑いの活動は反対されていて、「高2でやめるから」という約束をしていたのですが、2年生の終わりまでに結局結果を残せなかったんです。

――17連敗……それでも粘って芸人活動を続けたんですか?

はい。どうしてもお笑いで結果を残したくて、そのために受験もAO入試を選びました。AOであればこれまでの経験を活かせるし、お笑いに本気だからこそ、「自分が本当にやりたいことを120%見せる試験なら戦える」と思ったんです。だから、入試も思い切ってAOのみに絞りました。

――思い切った決断でしたね。

ですが、今ではこの決断をかなり後悔しています。一般入試の勉強をしていないせいで、同世代と比べて圧倒的に受験の知識量の引き出しが少ないことを今でも痛感します。社会問題解決に取り組む上で基礎的な学力は必須ですし、受験勉強を通して得た力は、大学のどんな学びにも間違いなく活きるはず。なので、これからAOを受ける人は「一般受験を見据えて準備もしつつAOが本命」という気持ちで受験に望んでほしいです。

――入試の準備をする中で、特に苦労されたことは何でしたか?

自分が本当にやりたいことを言語化するのにものすごく苦労しました。「お笑い」というキーワードは常にあるんですけど、それを志望理由の形に落とし込むのが本当に難しくて。100回近く書き直し、最終提出した志望理由書は、初めて書いたものと全く違ったものになりました。洋々でも志望理由書を何度か見てもらい、とにかくいろいろな人に自分の志望理由書を添削してもらいましたね。

夢や卒業後の目標は、すぐに描けそうでなかな形にならないものです。そこにぶつかる過程で自分の嫌なところや至らないところと向き合わなくてはならないこともありました。でも、あのとき本気で自分のやりたいことに徹底的に向き合った経験は、今の自分の活動全てを支える土台になっていると感じます。

――連敗といい100回の書き直しといい、本当に体当たりを繰り返してきたんですね……。

そうですね(笑)。あと、ツイッターでSFCの在学生や卒業生にお願いして、志望理由書を添削してもらったり、面接の練習をしてもらったりもしました。SFCは後輩の面倒をみる文化があるので、多くの方は面識がなくても快く引き受けてくださって、本当にありがたかったですね。今は多くの高校生がSNSに馴染みがあると思うので、そういう使い方にも目を向けられると良いんじゃないでしょうか。

――SFC時代は、どのようなキャンパスライフを過ごしていましたか?

想像以上に充実していました。養成所に通って大会優勝を目指したり、教員免許を取ったり、会社を立ち上げたり、濃い思い出がたくさんあります。今も3足のわらじで多忙な日々ですが、思えば大学時代からこんな生活でした。

SFCという環境は、自分にはぴったりだったなと思います。例えば起業をするときも、既に起業を経験している先生や先輩方が周りにたくさんいるので、色々と具体的なアドバイスをいただけたり、教材づくりも手伝っていただいたり。現在弊社で代表取締役社長を務めている相川美菜子ともSFCで出会いました。

自分をさらけ出さないAO入試なんて、無意味でしかない

――たかまつさんのお話を伺って、今されている活動のひとつひとつが全て別の活動にも活きているんだなと感じました。

むしろ、全てに活かすためにこんなに詰め込んでいると言ってもいいかもしれません。テレビ局での仕事で得た知識や知見は会社経営やネタ作りに役立っていますし、逆も然りです。これもやっぱりSFCでいろいろな人に出会った影響が大きくて、私より何倍も忙しい人が私の何倍も勉強をしているのを見てきたりもして、だから私も、やりたいことにとことん全力で打ち込むようになりました。

――これから先は、どんなことに挑戦したいですか?

個人が社会問題を考えるきっかけを作れるような情報発信をしていきたいです。以前出張授業で、ある参加者の方から「選挙に行く前に、どんなメディアを見ればいいのか?」と訊かれたとき、答えられなかったんです。今の政治や社会問題について、若者に向けて、わかりやすく政治や社会問題を伝えるメディアはほとんどありません。だからこそ、自分が番組に出演するだけではなく、構成からかかわったり「たかまつなな」というメディアとなり、お笑いを通して発信できる力を身につけたいですね。

――ありがとうございます。最後に、これからAO入試を考えている高校生に、アドバイスをお願いします。

AO受験において、「受かるための準備」は無意味です。「ここまでやりきったなら落ちても後悔はない」と納得できるところまで、突き詰めて志望理由を考えてください。AO入試は本当に相性だと思うので、ありのままの自分を受け入れてもらえないのであれば、それは縁がなかったということ。この「ありのままをさらけ出す」という勇気は、その先の人生の岐路で必ず役に立つと思います。就職やパートナー選びのとき、本当の自分を受け入れてもらえるかどうかは非常に重要です。

それから、受験では「相性の良い先生」を見つけに行く努力も大切だと思います。学校の先生や塾の先生と相性が合わない、と感じたら、自分が信頼できる人を積極的に見つけにいってください。先生によって言うことが正反対だったり、自分と考えや物の見方が合わなかったりということもあると思います。良い先生に巡り合うのは、運ではなく努力。自分の目標や考えをしっかり理解した上で、正しい方向へ導いてくれる人と出会えれば、必ず受験は乗り越えられます。頑張ってください!

洋々の小論文トレーナー&メンター。批評からシャンプーの裏側まで、文字の書いてあるものは何でも好きです。

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