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洋々LABO > インタビュー > コラム > 慶應で交換留学しよう![第2回]〜1次選考:書類編〜

はじめに

この記事は、慶應義塾大学で学部生として交換留学したいと考えている方に向けた記事です。今回は、特に出願書類(1次選考)に関するアドバイスをみなさんにお伝えします。

軽く私の自己紹介をすると、私はSFCの3年生で洋々でメンターを勤めています。現在は、慶應の交換留学制度を用いてスイスのベルン大学に留学しています。

実際に1次選考書類を書き、選考に通った私が、1次選考書類とは何かどのように書き進めれば良いかなど、私の経験に基づいてアドバイスさせていただきます!

交換留学とは?

交換留学とは、慶應義塾大学が提携している海外の大学へ2学期間(約10ヶ月)留学する制度です。
しかし、希望するすべての学生が交換留学できるわけではなく、慶應義塾大学内で選抜があります。1次選考は出願書類に基づいて行われ、2次選考は面接です。

交換留学についての詳細を知りたい方は、前回の連載記事をご覧ください。
▶ 前回記事:慶應で交換留学をしよう![第1回]

出願書類って何があるの?

出願書類には大きく2種類あります。個人情報の登録と、留学計画書の作成です。両方ともKEIO IC-NET(慶應のウェブシステム)にアップロードします。

個人情報の登録

個人情報の登録では、顔写真、学業成績表、語学能力証明書、誓約書などをスキャンし、アップロードします。

語学資格証明書

個人情報の登録で特に注意が必要なものは、語学資格証明書です。留学先大学で使用予定のすべての言語について提出する必要があります。
例えば、フランスの大学に留学し、授業をフランス語と英語の両方で履修を希望する場合、フランス語と英語の両方のスコア基準を満たし、そのスコアを提出する必要があります。

また、言語によって提出できる書類が異なり、出願する大学によって基準スコアが異なりますので、各自確認する必要があります。

◉英語
・TOEFL iBT、またはIELTS
・有効期限は受験日から2年
・英国へ留学する時は、TOEFLは不可
◉フランス語
・DELF/DALF、実用フランス語技能検定試験、TCF、または語学担当教員作成の語学能力証明書*
◉その他言語
・各種語学能力試験、または語学担当教員作成の語学能力証明書*

*語学資格証明書とは、聴解力・読解力・作文力・会話力について、大学での勉学・研究に十分な語学能力があるか否か、語学担当教員が評価した証明書を指します。

語学資格証明書はどうやって書いてもらうの?

私もベルン大学に出願する際、SFCのドイツ語の先生に語学資格証明書を書いてもらい、出願しました。基本的には、大学でその言語を一定期間履修していることが前提です。ですので、顔見知りの先生に語学資格証明書を書いてもらえないかお願いします。

私はSFCで3学期間ドイツ語を履修し、成績もよかったので、「スイスのベルン大学に留学をしたいんです。ですがそのためにはB2レベルのドイツ語力を証明しないといけないので、語学資格証明書を書いていただけませんか?」とお願いし、すんなり書いていただけました。

ドイツ語の正規の語学能力試験(Goethe, OSE)を受験し、B2に合格するというのが一番理想でしょう。
しかし、現実問題としてたった2年間でB2に合格するというのは至難の技です。
少なくとも私がドイツ語の先生から聞いた話では、多くの学生が語学能力証明書に基づいて留学してるらしいです。なので、ドイツ語の先生たちも理解があります。

というのも、語学資格証明書では、出願時現在の語学能力ではなく、約1年後留学する際にどの程度の言語レベルに達しているかという基準で書いてもらうことができます。
つまり、出願する際にB2レベルに達していなくても先生にお願いし、留学まで真剣にドイツ語を学ぶ旨を伝えれば、出願することができるのです。

留学計画書の作成

留学計画書は、交換留学出願書類の中で一番重要な書類です。留学計画書は3種類あります。

留学志望理由:交換留学を志望する理由
留学先での学習・研究計画:慶應での学習・研究を踏まえた、留学先での研究計画
志望校別志望理由:志望大学を志望する理由

留学計画書は全て日本語、及び留学先使用言語で書く必要があります。
つまり、留学先で英語の授業のみとる人は日本語と英語だけで良いですが、他の言語でも履修を希望する際は、留学先の大学で使用予定のすべての言語で書く必要があるということです。
例えば、私はドイツ語と英語で授業を履修したかったため、日本語・英語・ドイツ語で全ての留学計画書を作成しました。

慶應のGPAと語学能力の基準を満たしていれば、1次選考で評価されるのはほぼ留学計画書の出来栄えと言って良いでしょう。
留学計画書を書く際に大切なことは、「なぜその大学に留学する必要があるのか」について読み手に納得してもらうことです。

留学計画書ってどう進めればいいの?

留学計画書が選考において重要ということはわかるけど、実際どうやって書き進めて良いかわからないという方が多いと思います。

ですので以下は、実際に私がどのように留学計画書を書き進めたのか具体的に述べさせていただきます。みなさんの参考になれば、幸いです!
しかし、留学計画書の仕上げ方、そもそも”留学計画書”という書類の解釈の仕方も人それぞれです。あくまで一例としてご覧ください!

step 1 大学を決める

私がまず行ったことは、留学したい大学を決めることです。
大学を決めないと、自分がそこで何を勉強できるのかわかりませんし、留学先でのイメージが掴みにくいです。
そして、何より留学計画書を書く自分のモチベーションが持ちません、、、。

慶應義塾大学は世界30カ国、140校以上の海外の大学と協定を結んでいます。詳しくは以下の国際センターのホームページをご覧ください。
http://www.ic.keio.ac.jp/keio_student/exchange/ex_partners.html

◉なぜベルン大学にしたのか?
私はスイスのベルン大学を第1志望、スイスのザンクトガレン大学を第2志望、ハンガリーのペーチ大学を第3志望、ギリシャのアテネ大学を第4志望にして出願しました。そして、第1志望のベルン大学に無事合格しました。

実を言うと、私は研究ベースで留学先を決めたわけではなく、自分が住んでみたい国から逆算して選びました、、、。
スイスは中学生の頃から憧れを抱いていて、大学に入学したらスイスに留学すると決めていました。スイスのドイツ語圏で慶應と協定を結んでいるのは、ベルン大学・ザンクトガレン大学・チューリッヒ大学の3つでした。
しかし、チューリッヒ大学は大学が求めている語学能力のレベルが高く、諦めました。

志望大学を2校だけにして出願することもできましたが、もし選考に落ちてしまい留学できなかったら悲しすぎると思い、他の大学も探しました。
個人的にハンガリーとギリシャにも住んでみたいと直感で思ったので、その2つの大学も視野に入れることに決めました。

もちろん、留学先大学で何を勉強・研究するかということも大切ですが、私のように自分が好きな国でとりあえず絞ってみると言うもの1つの手だと思います。
そして、実際に書類を書く際に、自分が行きたい大学と自分がこれまで勉強してきたことを合わせる作業をすれば良いのです。

 

step 2 テーマを決める

行きたい大学が決まったら、次は留学計画書のテーマ決めです。

留学計画書は慶應での学習・研究に基づいて書くことが求められています。
ですので、私はまず自分がSFCでこれまで特に何の勉強に力を入れてきたのか振り返りました。

しかし、私はSFCで様々な学問分野を横断して授業を履修してきたため、自分が何を主に勉強してきたかまとめることが難しかったです。
その中でも強いてあげれば、1年生の秋学期から1年間所属していた国際政治・経済のゼミかなと思いました。

そのゼミで、私は特にBrexit(英国のEU離脱)に従事していました。
毎週Financial Timesを読み、イギリスとEUの離脱交渉がどのように進んでいるかリサーチしていました。

そのゼミでは一度リサーチペーパーも書きましたし、合同ゼミ(他大学と一緒に行うゼミ活動)でプレゼンしたこともありました。学問の分野で私の武器となるのはBrexitしかないなと思い、そのテーマで進めることに決めました。

step 3 内容を決める

テーマが決まったら、次はより具体的に留学計画書の内容を決めます。
ここで大切なことは、慶應で学習・研究してきたことと、留学先大学で勉強できることを繋げることです。

私がまずしたことは、ベルン大学のシラバスを調べ、Brexitに関する授業でどのようなものがあるのか調べることでした。
調べると、EU法の授業や、欧州統合の歴史についての講義、Brexitについてのゼミまで見つかりました。
これでベルン大学でBrexitについてのリサーチを続けたいと書くことはできそうだと思いました。

次に考えたことは、Brexitの研究をなぜイギリスではなく、スイスやハンガリー、ギリシャでやらなくてはならないのか説得性を持たせることでした。
上の3カ国に共通することは、EUから距離を置いていることです。なので、私は以下のように論理立てることにしました。
スイスで学びたい理由
EUに加盟していないが、ヨーロッパ大陸の中央に位置するスイスから中立的にBrexitを研究したい
ハンガリー・ギリシャで学びたい理由
反EUの兆候が日々強まっている上の国々で、Brexitを違う角度から研究したい

これで留学計画書の大枠は決まりました。日本で研究を続けるのではなく、留学する必要がある理由も説明できます。

step 4 実際に書く

留学計画書の大枠が決まったら、あとは肉付けして書き進めるだけです。

基本的な留学志望理由書の流れとしては、

イントロ:〇〇大学に〜〜を研究するために留学したい
ボティ:慶應で何をしてきたか、留学先で何をするのか
コンクルージョン:自分が〇〇大学に留学することは意義がある

という流れで書くのがスタンダードだと思います。

されども、ただダラダラ文章を書くだけでは良い留学計画書になりません。ここでは私の実施の留学志望理由を参照しながら、具体的に書き進めるコツをお伝えします。

実際の留学志望理由書を見てみよう!

下の写真は私が実際に提出した留学志望理由書(ドイツ語ver.)です。
段落ごとに、その段落が何について書かれているのか、何のためにその段落でそれについて述べているのか解説します。

第1段落
第1段落は導入部分ですが、これからどのような話をするのかという要約の役割も担っています。ですので、手短に自分がなぜ留学をしたいと思っているのか説明します。

例えば私なら、「Brexitを様々な角度からリサーチし、超国家システムはどのようにしたらうまく機能するのか研究したいので、慶應の交換留学プログラムを志望する」ということを書きました。

第2段落
第2段落では、自分がこれまで慶應義塾大学でどのような学びをしてきたのか述べます。自己PRも兼ねていますので、謙遜する必要はありません。自分がこれまでどのような勉強に力を入れてきて、どのような実績があるのかPRします。

私が書いたことは、「SFCの渡邊頼純先生の下でBrexitについてリサーチしてきたこと、そしてそのリサーチの中でEUという超国家システムが機能するのは一筋縄ではいかないと学んだ」ということです。

第3段落
第3段落では、自分の研究の正当性を主張します。
つまり、自分の研究には社会的意義があるのだと読み手を説得させるのです。

例えば私は、「EUはヨーロッパで度々繰り返されてきた戦争を終結させる有効な解決策の1つだ」ということを述べました。

第4段落
第4段落では、自分の研究が日本ではなく、留学先大学で行うことに意義があることを主張します。
留学する国、留学する大学の特徴は何なのか考察し、そこで勉強することが自分の研究に役に立つのだということを伝えます。

私の場合は、スイス・ハンガリー・ギリシャは全てヨーロッパ大陸にあり、日本での文献リサーチだけではわからないその場の空気感を感じたいということを書きました。また、上の3カ国は全てEUから距離を置いており、これまでのリサーチとは違った視点が得られると述べました。

第5段落
第5段落は、全体を締めくくるまとめです。
基本的には第1段落で書いた内容と同じで良いですが、特にここで大切なことは、力強くいかに自分が留学することに意義があるのか述べることです。

もちろん私が示したのは1つの例です。私のやり方に従おうとすると、逆にうまく書けないと思いますので、あくまで書き方・論理の流れ・字数配分を参考にしてみてください!

step 5 添削

全ての留学計画書が書き終わったら、自分で見直すのももちろんですが、ゼミの教授、または言語の先生に添削してもらうことを強く勧めます。
特に、外国語で書いた留学計画書は必ずその言語の先生に最低でも1回は見てもらいましょう。

step 6 出願

教授、先生方に留学計画書を見てもらい、納得できる書類に仕上がったら、留学計画書は完成です!
期限までに書類をアップロードしましょう。

いつから準備を始めれば良いの?

ここまで読んでいただき、具体的にどのように書類の準備を進めれば良いかお分かり頂けたかと思います。
しかし、ではいつからその準備をすれば良いのかと迷われる方もいるかもしれません。

早い準備に越したことはない

結論から言うと、なるべく早い準備に越したことはありません。
もちろん留学計画書を1年、2年前から書き始める必要はないと思いますが、書類以外にも交換留学プログラムに出願するためには様々な準備があります。

交換留学を考え始めた時点で、慶應のGPAを維持し、その他に何か学業面における強みを探したり、身につけたりすることが望ましいです。(例えば、ゼミに入る、分野を絞って授業を取るなど、、、)

また、語学能力試験を受ける必要がある場合は、なるべく早く受けましょう。
特に英語圏以外へ留学することを考えている場合は、自発的にその国の言語を履修したり、各自で学んだりすることが求められます。

◉私の場合
私は、大学に入学する前からスイスに留学すると決めていました。
ですので、外国語でドイツ語を履修し、ドイツに短期留学するなど語学面には特に力を入れていました。

しかし学業面のことまで考えておらず、SFCで色々な分野の授業を横断してとっていたので、留学計画書を書く際に苦労しました、、、。自分の専門が何なのかわからなかったからです。

また、私は書類の準備を始めるが遅かったので大変でした。
12月21日締め切りで、書類を本格的に書き始めたのは12月初めから。つまり準備期間は2週間しかなかったということです。
締め切り3日前は死にそうでした(笑)

ですので、皆さんは是非、準備は少なくとも出願の1ヶ月前から、または心に余裕を持って2ヶ月前くらいから少しずつ勧めることを強く勧めます。

まとめ

今回の記事では、私の体験を参考にしながら、具体的に交換留学制度の1次審査書類の書き方について解説しました。

もちろん、私の進め方が正しい訳でも、一番効率的な訳でもありません。何より、この記事をお読み頂いた皆さんに、書類審査のイメージを掴めて頂けたら幸いです。

最後に。私から皆さんへのメッセージは、留学を考え始めた時点で「準備をとにかく早めに進めること」です(笑)
留学をすでに考えている方は、まず語学試験を受けてみましょう!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

慶應義塾大学環境情報学部3年の光延いのりです。

高校時代に1年間フィンランドに留学していた経験を生かし、SFCにAO入試で入学しました。洋々でメンターをやりながら、SFCの魅力を伝える記事も執筆しています。

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